親が遺した実家がゴミ屋敷だった。その衝撃的な事実を前に何から手をつけて良いのか途方に暮れてしまうのは当然のことです。しかし感傷に浸っている時間はありません。ゴミ屋敷の相続には法的な手続きや物理的な片付けなど行わなければならないことが山積しています。パニックにならず一つ一つ手順を踏んで問題に取り組んでいきましょう。まず最初にそして最も重要なのが「相続人全員で情報を共有し方針を決定する」ことです。兄弟など他にも相続人がいる場合は必ず全員で集まるか連絡を取り合い家の現状を正確に伝えます。そしてこの家を今後どうするのか「売却するのか」「誰かが住むのか」「賃貸に出すのか」あるいは「相続放棄するのか」といった大きな方針について話し合います。この初期段階での意思統一が後のトラブルを防ぐ上で何よりも重要です。次に家の「権利関係」と「財産状況」を確認します。法務局で不動産の登記簿謄本を取得し家の名義が本当に亡くなった親のものであるか抵当権などが設定されていないかを確認します。同時にゴミの山の中から故人の預金通帳や有価証券、保険証券そして借金の督促状といったプラスの財産とマイナスの財産に関する書類を探し出す必要があります。この財産の全容把握が相続手続きを進める上での大前提となります。そしてこれらの情報収集と並行して物理的な「片付けの計画」を立てます。自力でどこまでできるのか専門業者に依頼するならどの業者にするのか。複数の業者から見積もりを取り費用と作業内容を比較検討します。特に遺品整理も兼ねる場合は不用品回収業者ではなく「遺品整理」を専門とする業者に相談するのが賢明です。このようにゴミ屋敷の相続は「相続人同士の合意形成」「法務・財務状況の把握」「物理的な片付け計画」という三つの軸を同時にそして計画的に進めていくことが、混沌とした状況を乗り越えるための鍵となるのです。
ゴミ屋敷を相続!まず何から始めるべきか