ゴミ屋敷の現場で働くヘルパーにとって、自身の「安全確保」と、専門職としての「倫理」は常に考慮すべき重要な側面です。劣悪な環境下での業務は、多くの危険を伴い、精神的な負担も大きいため、これらを適切に管理することが求められます。まず、物理的な安全確保が最優先です。ごみの山で通路が塞がれている、足元が不安定、物が崩れ落ちる危険がある、といった状況では、ヘルパー自身の転倒や怪我のリスクが高まります。また、害虫や害獣による刺傷や感染症のリスクも無視できません。このような環境下で無理な作業を強いることは、ヘルパーの安全を脅かすだけでなく、利用者に十分なサービスを提供できない原因にもなります。事業所は、事前に現場の状況を把握し、安全が確保できないと判断した場合は、サービス提供を一時中断したり、別の支援方法を検討したりする責任があります。また、適切な防護具(手袋、マスク、靴など)の着用を徹底させることも重要です。次に、精神的な安全確保も重要です。ゴミ屋敷の住人の中には、精神疾患を抱えており、ヘルパーに対して攻撃的な言動を取ったり、妄想や幻覚による不信感を抱いたりするケースもあります。ヘルパーは、このような状況に対して冷静に対応し、適切な距離感を保つ必要があります。事業所は、ヘルパーが精神的な負担を抱え込まないよう、定期的なカウンセリングや研修の機会を提供し、サポート体制を構築することが求められます。さらに、専門職としての「倫理」も重要です。ヘルパーは、利用者のプライバシーを尊重し、ゴミ屋敷の状況を安易に他言しない守秘義務を負っています。同時に、利用者の自立支援を目的とするため、安易にすべてをヘルパーが代行するのではなく、利用者ができる範囲のことは促す必要があります。しかし、ごみの多さから、どこまでが利用者の責任で、どこからがヘルパーの支援なのか、その線引きが難しい場合も多々あります。状況に応じて、ケアマネジャーや他の専門職と連携し、最適な支援方法を検討することが倫理的な責任と言えるでしょう。ゴミ屋敷でのヘルパー業務は、身体的・精神的な負担が大きく、その特性を理解した上で、適切な安全管理と倫理観に基づいた支援が求められます。