ゴミ屋敷を理由に慰謝料が発生するかどうかは、相手方に「不法行為」があったと言えるかどうかにかかっています。単に性格がだらしないだけでは不法行為とはみなされにくいのですが、意図的に、あるいは著しい不注意によって配偶者の権利を侵害していると認められる場合には、慰謝料の支払い義務が生じます。感情面では、ゴミ屋敷を作った相手を「変わってくれるはずだ」と期待し続けた自分を許し、離れることが唯一の救いであることを確信する必要があります。一方で、現実的な清算術としては、財産分与と慰謝料、そして清掃費用の配分を、一つのパッケージとして有利に交渉することが肝要です。具体的なケースとして多いのは、一方が何度も真剣に掃除を依頼し、時には外部業者の利用も提案しているにもかかわらず、相手方が理由もなくこれを拒絶し続け、逆に怒り出したり無視したりするというパターンです。これは「夫婦の協力義務」を放棄しているとみなされます。また、ゴミ屋敷化によって配偶者が私物を使うことができなくなったり、自分の部屋を占拠されたりした場合も、人格権の侵害として慰謝料の対象になり得ます。さらに、ゴミから発生した悪臭や害虫のせいで、配偶者が体調を崩したり、会社を休まざるを得なくなったりした場合、それは健康権の侵害として明確な損害になります。慰謝料の金額を決定する要因には、婚姻期間の長さ、ゴミ屋敷化の程度、相手方の経済力、そして解決への態度の悪さなどが考慮されます。例えば、話し合いの場で「自分は何も悪くない、嫌ならお前が出ていけ」といった暴言を吐く態度は、慰謝料を増額させる要因となり得ます。逆に、相手方が自分の問題を認識し、治療や改善の意欲を見せている場合は、慰謝料が減額されることもあります。どのようなケースであれ、自分が受けた苦痛がいかに不当なものであったかを論理的に説明し、それに対する償いを求める姿勢が大切です。ゴミ屋敷は目に見える物理的な問題ですが、慰謝料請求の場では、その背後にある相手方の不誠実な「心」の問題が問われることになるのです。
掃除を拒否し続ける配偶者とのゴミ屋敷離婚で慰謝料が発生する具体的なケース