行政の手が届かない隙間を埋めるために、ゴミ屋敷の清掃に従事するボランティア団体の数は全国的に増えつつあります。彼らは、高額な業者費用を払えない生活困窮者や、孤独な高齢者のために無償、あるいは低価格で片付けを手伝い、生活の立て直しをサポートしています。しかし、ゴミ屋敷の数が圧倒的なスピードで増え続ける中で、ボランティアによる支援には大きな限界があるのも事実です。ゴミ屋敷の清掃は、単なる肉体労働ではありません。堆積したゴミの中から貴重品や思い出の品を探し出し、居住者の感情に配慮しながら作業を進めるには、高度なコミュニケーション能力と精神的な忍耐が必要です。また、凄まじい悪臭や害虫、病原菌に晒される過酷な環境下での作業は、ボランティアの心身を疲弊させます。支援に携わるボランティアの数が増えても、次から次へと舞い込む相談の数に対応しきれず、燃え尽き症候群に陥る支援者も少なくありません。さらに、ボランティアによる一時的な清掃だけでは、居住者の根本的な問題である精神疾患や孤立を解消することはできず、数ヶ月後には再びゴミ屋敷に戻ってしまうという「リバウンド」の壁に突き当たります。このため、最近では清掃だけでなく、その後も定期的に訪問し、話し相手になったり食事を共にしたりする見守り活動をセットで行う団体の数が増えています。しかし、こうした継続的な支援を行うには、圧倒的に「人の数」が足りません。ゴミ屋敷問題は、個人の善意だけに頼るにはあまりにも巨大で根深い問題となっています。ボランティア団体の活動を公的に支援し、専門職との連携を強化することで、より持続可能なサポート体制を築くことが求められています。ゴミ屋敷の数を減らすためには、一時のイベント的な清掃ではなく、地域社会全体が「おせっかい」な関係性を取り戻し、日常的に誰かの異変に気づけるような温かなネットワークを再生していくことが、何よりも重要です。