夫婦二人だけの問題であれば、個人の価値観の相違で済まされることもあるかもしれませんが、そこに子供がいるとなれば話は全く別です。部屋の乱れは心の乱れ、という言葉がありますが、ゴミ屋敷化は単なる物理的な問題ではなく、夫婦間のコミュニケーション不全や信頼崩壊の末路です。一度ゴミ屋敷化が進行してしまうと、そこでの生活は日々、相手に対する軽蔑や怒り、絶望を再生産する場となってしまいます。このような家庭崩壊を経て離婚を選択する際、後悔しないために必要なのは、感情の清算と現実的な条件の清算を同時に行うことです。ゴミ屋敷という不衛生な環境で子供を育てることは、ネグレクト、すなわち児童虐待に該当する可能性が非常に高く、離婚において非常に強力な主張根拠となります。子供の健やかな成長には、清潔な衣服、バランスの取れた食事、そして安全に遊べる空間が必要です。ゴミに埋もれた家では、アレルギーや感染症のリスクが常につきまとい、また友達を家に呼べないことで子供の社会性や自己肯定感も著しく損なわれます。離婚裁判や調停において、このような「子供への悪影響」を前面に押し出すことは、親権の獲得や慰謝料の算定において有利に働きます。親としての義務を放棄し、子供を危険な環境に置き続けたという事実は、配偶者の重大な有責事由となります。慰謝料の額についても、単なる夫婦間の問題としての苦痛に加え、子供を巻き込んだことに対する親としての責任を問う形で増額されるケースがあります。証拠としては、子供の健康診断の結果や、学校の先生からの指摘、あるいは子供自身が「お家が汚くて悲しい」と漏らした言葉のメモなどが有効です。また、家庭訪問に来た児童相談所の職員の報告書があれば、これ以上ない強力な証拠となります。ゴミ屋敷から子供を救い出すための離婚は、親としての正当な権利行使であり、義務でもあります。裁判所も子供の福祉を最優先に考えるため、ゴミ屋敷が子供に与える心理的、身体的ダメージを具体的に訴えることが、早期の離婚成立と適正な慰謝料獲得への近道となります。