久しぶりに帰省した実家が、かつての面影もないゴミ屋敷に変わっていたとき、私たち家族が感じたのは絶望と自分たちへの怒りでした。父が他界し、一人暮らしをしていた母がいつの間にかセルフネグレクトに陥り、家の中はゴミと悪臭、そして害虫の住処となっていました。自分たちで片付けようと試みましたが、あまりの惨状と、床に染み付いた正体不明の汚れ、そして鼻を突く異臭に数時間で立ち往生してしまいました。これは素人の手には負えないと判断し、私たちは特殊清掃の専門業者に助けを求めました。作業当日、特殊清掃員の方々は防護服に身を包み、まるで見えない敵と戦うかのようなプロの所作で家に入っていきました。最初に行われたのは、除菌と害虫駆除でした。強力な薬剤が散布され、空間が一時的に封鎖されるのを見て、事態の深刻さを改めて痛感しました。その後、ゴミの搬出が始まりましたが、驚いたのはそのスピードと丁寧さです。ただ捨てるのではなく、母が大切にしていた古い写真や、父の形見を山のようなゴミの中から一つ一つ探し出し、確認のために手渡してくれました。特殊清掃という言葉から、ただ淡々と作業をこなす冷たいイメージを持っていましたが、実際には家族の心に寄り添う温かな仕事でした。数日間にわたる作業の山場は、消臭工程でした。ゴミがなくなった後も消えなかったあの独特の嫌な臭いが、オゾン脱臭機という機械を数日間稼働させることで、嘘のように消えていきました。壁紙を剥がし、床下を洗浄し、科学的な消臭を繰り返すことで、家はかつての「実家」の空気を取り戻したのです。母は最初、恥ずかしさと不安から作業を拒んでいましたが、綺麗になった部屋を見て「またここで頑張ってみる」と涙を流しました。特殊清掃に支払った費用は決して安くはありませんでしたが、それによって失われかけた母の尊厳と、私たち家族の平穏が戻ってきたことを考えれば、最高の選択だったと断言できます。ゴミ屋敷を解決することは、単に物を捨てることではなく、崩壊した家族の形を再建することなのだと学びました。もし同じように悩んでいる家族がいるなら、迷わず特殊清掃のプロを頼ってほしいと思います。彼らは家だけでなく、止まってしまった家族の時間を再び動かしてくれる救世主なのです。特殊清掃のおかげで、私たちは再び実家の玄関を笑顔で開けることができるようになりました。この経験は、私たち家族にとって忘れられない再生の物語です。
実家のゴミ屋敷を特殊清掃で解決した家族の記録